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ワークライフバランスとは、仕事と生活のどちらかを削って我慢している状態ではなく、どちらも成り立っている状態を指します。
この記事は、制度の解説ではありません。フレックスも在宅も導入された会社にいるのに、なぜか余裕がないという人に向けて書いています。
結論から言うと、制度は「時間の枠」を変えるだけで、「時間の使い方」は変えません。だからバランスは、制度が整ったあとに個人の力で決まります。
目次
ワークライフバランスとは、どちらかを我慢して釣り合いを取っている状態ではなく、仕事と生活の両方が成り立っている状態のことです。仕事を減らして生活を確保するという意味ではありません。
よくある誤解は「仕事を減らすこと」だと考えることです。実際には量の調整ではなく、優先順位のつけ方の問題です。
内閣府が2025年3月に実施した「満足度・生活の質に関する調査」(回答者10,633人・第7回)では、「仕事と生活(WLB)」の満足度は前年から上昇しました。名目賃金の上昇や正規雇用の増加が背景とみられています。
(出典:内閣府「満足度・生活の質に関する調査報告書2025」)
つまり社会全体としては改善しています。それでも「自分は変わっていない」と感じる人がいるのは、満足度を決めているのが制度の有無ではないからです。
労働時間を減らしても、余裕が生まれないことがあります。足りないのは時間ではなく、判断の余力です。
在宅勤務で通勤時間が1時間なくなったのに、楽になった実感がない。これは空いた1時間に、別の判断や連絡が入り込んだからです。
枠が空いても、埋める基準を持っていなければ元に戻ります。
崩れる原因は制度の不足ではなく、①優先順位が決まっていない ②断る基準がない ③お金の見通しがない、の3つです。
フレックスも在宅も導入された会社にいるのに余裕がない、という状態には共通の理由があります。
毎回その場で決めていると、声の大きい要求から順に時間が埋まります。
先に決めていないと、緊急に見えるものが優先されます。緊急と重要は別ですが、その場の判断では区別できません。
制度で時間の枠は縮んでも、引き受ける量が同じなら密度が上がるだけです。
短時間勤務にしたのに終わらない、という状態はこれです。枠を縮める前に、何を引き受けないかを決めておく必要があります。
生活に必要な額を把握していないと、不安から働き続けることになります。
いくらあれば足りるかが分からない状態では、上限のない働き方になります。ワークライフバランスがお金の問題でもあるのは、ここです。
制度に手をつけられなくても、①予定を先に置く ②断る言い方を決めておく ③必要額を出す、の3つは今日から始められます。
空いた時間に生活を入れるのではなく、生活を先に置いて残りで仕事を組みます。
空き時間は必ず仕事で埋まります。順番を逆にするだけで、削られる側が変わります。
その場で考えると断れないので、文型を先に決めておきます。
「今週は手が空かないので、来週の前半なら対応できます」。代案を添える形を1つ持っておくと、断ることの心理的な負担が下がります。
必要額が分かると、働く量の上限を自分で決められます。
家賃・食費・固定費を足すだけで構いません。数字が出ると、「これ以上稼がないと不安」という漠然とした圧力が減ります。
この3つを「続けられる形」にしたい方へ
3つのやり方は今日から始められます。ただ、続けるには「なぜそれを優先するのか」という自分の基準が要ります。株式会社アウェアネスは、人間関係・時間・お金を扱う力を「バランス教育」として体系化している人材育成の会社です。これまで延べ22万人以上に学びを提供してきました。
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制度は個人の努力の代わりではなく、努力が通りやすくなる土台です。
休暇制度・短時間勤務制度・フレックスタイム・テレワークは、選択肢を増やします。ただし選ぶのは本人で、選ぶ基準は制度の側にはありません。
制度の説明をここに置いたのは、先に個人の話をしないと制度が使いこなせないからです。順番が逆だと、制度が整っただけで終わってしまいます。
Q1. ワークライフバランスとは、簡単に言うと何ですか。
A1. 仕事と生活のどちらかを我慢して釣り合わせることではなく、両方が成り立っている状態です。労働時間を減らすことではなく、優先順位を先に決めることで実現します。
Q2. 制度が整っている会社なのに、余裕がありません。なぜですか。
A2. 制度は時間の枠を変えるだけで、使い方は変えないからです。在宅勤務で通勤の1時間が空いても、別の判断や連絡が入れば元に戻ります。枠より先に、何を引き受けないかを決める必要があります。
Q3. 個人で今日からできることは何ですか。
A3. 3つあります。①生活の予定を仕事より先にカレンダーに置く ②断る言い方を1つ用意しておく ③生活に必要な月額を一度計算する。どれも会社の制度に手をつけずに始められます。
ワークライフバランスは、時間を削り合う配分の問題ではありません。人間関係・時間・お金という3つを扱う力の問題です。
制度が整っても崩れるのは、この3つを扱う基準が自分の中にないからでした。逆に言えば、制度が整っていない環境でも、基準を持っている人は崩れません。
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