ワークライフバランスとは?実現するための取り組みや重要性を解説

ワークライフバランスという言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ワークライフバランスとは何か、実現することで得られるメリットやそのための取り組み、また重要性などについてご紹介してまいります。

1.ワークライフバランスとは?

ワークライフバランスとは、「仕事と生活の調和」のことを指します。

内閣府のサイトでもワークライフバランスが取り上げられていますが、そこで謳われているいる仕事と生活の調和した社会のことを「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」と記されています。

具体的には、就労による経済的な自立が可能な社会、健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会、多様な働き方・生き方が選択できる社会といったように、一人ひとりのライフスタイルに合った社会のことを指していると言えるでしょう。

現代社会は過労が問題視されており、就労による経済的な自立が可能でも、働きすぎにより健康で豊かな生活のための時間がとれていないとも考えられています。もちろん中には、働きすぎていると見られていても、十分な対価が得られずに、経済的な自立が難しい状況もあります。

このような問題に対して「ワークライフバランス」を取り入れ、仕事とプライベートのバランスを取ることを国としても目指しています。

参照:内閣府(「仕事と生活の調和」推進サイト)

https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2008/20webhonpen/html/i1321000.htmlv

ワークライフバランスの重要性

ワークライフバランスの実現に対する重要性が注目を浴びるようになったのは、少子高齢化による労働人口の減少や、働き方の変化に伴う共働き世帯の増加などが挙げられます。少子高齢化は今も進行しており、年々労働人口が減少しているのが日本の現状と言えるでしょう。

こうした働き手の減少は、一人ひとりの労働時間の長期化にもつながっており、仕事と生活の調和がとれなくなっているとも言えます。仕事と生活の調和が取れなくなることで、過労による心身の不調にもつながるため、ワークライフバランスがより重要視されているのだと考えられます。

実現するための取り組みとは

ワークライフバランスを実現するためには、個人だけではなく企業としての取り組みも必要となります。

企業としての制度導入などの取り組みが難しくても、個人で取り組みはじめることもできますが、周りの理解も必要であるとも言えます。それぞれが意識して取り組むことでワークライフバランスの実現もしやすくなるものと言えるでしょう。

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2.ワークライフバランス実現のメリット

ワークライフバランスを実現することで得られるメリットについて、個人と企業それぞれの目線でご紹介します。

個人が得られるメリット

個人が得られるメリットとしては、下記のようなものが挙げられます。

  • 仕事に対するモチベーションの向上
  • 幸福感が得られる
  • 心と身体の健康

ワークライフバランスを取ることができれば、仕事に対しての姿勢も良いものに変化する傾向にあります。休日の予定を楽しみにして業務に取り組むことができたり、休日や定時後の予定に間に合うように生産性を意識したりするものです。

このようにワークライフバランスを実現することで、モチベーションを高く維持することができ、またプライベートの時間もしっかりと充実したものにすることができれば、幸福感も得ることができます。

幸福感を得ることは心の健康につながり、幸福感を得られる境遇であることは無理をしなくても大丈夫な環境であると言え、身体の健康も維持できるなど、連鎖的にメリットを得ることができます。

企業側が得られるメリット

企業側が得られるメリットとしては、下記のようなものが挙げられます。

  • 生産性の向上
  • 優秀な人材の定着
  • 女性社員の定着

ワークライフバランスを考えることは単に楽をしようと言う訳ではありません。通常可能な業務量をしっかりとこなし、それに対する十分な対価を得られることで、プライベートの時間も充実したものにするというものです。

そのため、ワークライフバランスを取り入れることは、社員それぞれが生産性を意識した業務への取り組み方を積極的に考えるきっかけとなり得るのではないでしょうか。

生産性が高まり、ワークライフバランスが実現することで、育児や出産などといったライフステージによって働き方の変化が発生しやすい女性社員の定着率も向上するといったメリットもあります。

もちろん女性社員だけではありません。近年、男性の育児への参加も高まってきている中、こういった多様な働き方ができることは個人にとってのメリットであり、帰属意識の向上にもつながります。

また、仕事とプライベートのバランスが取れていないと、優秀な人材は好待遇の企業へ転職してしまいやすいものですが、ワークライフバランスがしっかりと取れている会社は働きやすいため、定着しやすくなると言えるでしょう。

3.ワークライフバランス実現のための方法

個人にとっても、企業にとってもメリットの多いワークライフバランスを実現するための方法について紹介

休暇制度の充実化

ワークライフバランスを実現するための方法としてまず挙げられるのが、休暇制度の充実化ではないでしょうか。出産や育児、介護などの理由から離職を余儀なくされる方も少なくはなく、ワークライフバランスを実現するためにはこういった問題に対しても向き合っていく必要があります。

そのため、育児や介護休暇制度の整備をはじめ、有給休暇の取得促進、リフレッシュ休暇やバースデー休暇といった多様な休暇制度の整備などが求められます。このような休暇制度を設けることで、やむを得ない理由からの離職が減り、プライベートの充実感が得られるような休暇を取ることができるため、ワークライフバランスの実現につながると言えるでしょう。

しかし、これら休暇制度の活用がしやすい環境であるかどうかも重要になってくるため、企業努力がより一層必要であるとも言えます。

短時間勤務制度

短時間勤務制度とは、育児や介護を行っている方がそれらにしっかりと向き合えるように、所定の勤務時間を短縮する制度のことを指し、一般的には2~3時間程度の短縮がなされています。育児や介護と仕事を両立しやすくすることで、先述したようにやむを得ない理由による離職の減少につながります。

しかし、現在の短時間勤務制度はあくまで一般的な2~3時間の短時間勤務を一律で定められることが多いため、まだまだ多様な働き方が実現しているとは言い難いものです。様々なパターンを用意し、それぞれの人に合った勤務時間を定めることができるようになれば、より一層、短時間勤務制度が整備されたと言えるでしょう。

フレックスタイムやテレワークの導入

フレックスタイムやテレワークの導入もワークライフバランスを実現するためには、欠かせないものになってきていると言えます。

フレックスタイムは短時間勤務制度と少し似ている制度であり、勤務時間のトータルは変わらず、働く時間帯に柔軟性を持たせるものです。労働時間は変わらないため個人としては経済面、企業側としては生産量が変わらないことは導入しやすい制度であると言えます。

もちろん社員同士のコミュニケーションも大切であるため、1日の中で必ずこの時間は働くと言った「コアタイム」を設けることで導入障壁も下がります。

また、近年多くの企業が一度は取り入れたことのあるテレワーク制度にも注目が集まっています。特に作業場やオフィスの必要性の低い、インターネットに関する事業では取り入れやすい制度であると言えるでしょう。企業側としても、通勤費用の負担が軽減されたり、移住による離職を抑えることができたりするといったメリットがあります。

4.自分でできるワークライフバランスへの取り組み

ワークライフバランスの実現は企業側の努力だけというものではありません。自分でできるワークライフバランスへの取り組みもあるので見ていきましょう。

仕事の効率化を図る

まずは日々の業務を効率化できないかという思考を持つことが大切です。なんとなく働いているうちに一日が過ぎていくといった働き方では、なかなかワークライフバランスを実現することはできません。

今対応している作業を自動化することは可能か、もっと効率良く処理することはできないかといったことを常に考えるようにしましょう。

スケジュールの把握と管理

自分自身のスケジュールを把握、管理することもワークライフバランスを実現するためには必要不可欠です。スケジュールをしっかりと把握しておくことで、急な依頼なども、その日のうちに対処することができるか、ある程度の日数をもらわないといけないかなどがわかるようになります。

また、このように個人ごとのスケジュールをチーム全体で共有することで、チームの業務量を平均化しやすくもなるでしょう。

不要な業務の洗い出し

不要な業務を洗い出すことも重要です。二重作業になっているようなことや代り映えのないミーティングなど、洗い出してみると不要な業務が多いことに気付くこともあるでしょう。

ミーティング自体は必要であっても、参加するメンバーを変えたり、周期を長くしたりすることで一人ひとりの時間を確保することもできます。業務に影響が無さそうなことから、無くしていくことが大切です。

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5.ワークライフバランス実現に向けた課題

働き方改革など、国としてもワークライフバランスを重視した動きを見せている中、実際は改善されていない企業も多いものです。その背景には、なかなか変わらない企業文化が邪魔をしているとも言えます。

組織の経営層がワークライフバランスを意識した取り組みを発表しても、部署ごとの文化や管理職の考え方など、弊害となる要因は少なくありません。経営層や管理職がしっかりと重要性を理解し、全体に周知し取り組むことでワークライフバランスが実現すると言えます。

また、マンパワーに頼っている企業の場合、ワークライフバランスを取り入れることは単純に作業量の低下を意味することもあるでしょう。そういった企業は特に方針を変えることが難しく、例えワークライフバランスを重視した取り組みを行ったとしても、生産性が下がりこれまでのような成果を生み出すことが難しくなります。

このように、企業文化や生産性の低下は、ワークライフバランスを実現するための課題とも言え、各企業がしっかりと向き合わなければならないものであると言えます。

まとめ

本記事では、ワークライフバランスとは何か、実現することで得られるメリットやそのための取り組み、また重要性などについてご紹介してまいりました。

ワークライフバランスとは、「仕事と生活の調和」のことを指し、仕事とプライベートのバランスを取ることを目指したものです。仕事と生活の調和が取れなくなると、心身の不調にもつながるため、重要視されています。

ワークライフバランスの実現は企業側の努力だけではなく、仕事の効率化やスケジュールの把握と管理、不要な業務の洗い出しなど、自分でも取り組めることはあるため参考にしてみてください。

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