職場環境とはどのようなことを指すかご存知でしょうか。
本記事では、職場環境とは何か、ストレスとなる原因や改善するための対処法について解説してまいります。
目次
そもそも職場環境とは、上司や同期などの他の従業員との関係性や、業務のための設備や明るさといった周囲の環境などのことを指します。
ひとくくりに職場環境と言うことが多いですが、先述したように人間関係の環境と設備的な環境、仕事内容など、大きく分類することもできます。
職場環境がなぜ大切なのか、それは人生の3割程度を仕事に費やすためであると言えるでしょう。職場環境が悪いと、人生が楽しくないと感じたり、ストレスから心身を病んだりすることもあります。
労働安全衛生法と言うものもありますが、これは快適な職場環境を形成することを目的として定められています。労働安全衛生法で定められていることから、企業としても「働きやすい職場環境」造りにしっかりと取り組む必要があると言えるでしょう。
参照:厚生労働省|労働条件・職場環境に関するルール
( https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/chushoukigyou/joken_kankyou_rule.html )
職場環境に含まれる要素として、人間関係、設備関係、仕事内容の3つに大きく分けることができます。
人間関係の職場環境としては、発言や質問のしやすさ、パワハラやセクハラを受けていると感じていないかなどが関係します。
設備的な職場環境として、業務に対して設備が整っているのかや、周囲の物音、話し声や音響などといったものが挙げられます。
仕事内容に関する職場環境としては、長時間労働が発生していないか、そのような環境になる程の量を与えていないか、昇進や昇給の将来性はあるのかなどが挙げられます。
このような職場環境の改善に取り組む際には、主に先述したようなものに対する改善を行っていくものと考えられます。
人間関係、設備関係、仕事内容、これらの職場環境が整っていないことが従業員のストレスにつながるとご紹介しましたが、具体的にどういったことがストレスの原因となるのでしょうか。
今の設備では現実的に対応が難しかったり、明らかに効率が悪いと感じることもあるのではないでしょうか。言い方のキツイ先輩や上司がいると億劫になることもあるでしょう。
このように、実際にその現場にいる人でないと気付き辛いことが職場にはあふれているため、管理者はそういった環境の改善に取り組まなければなりません。
また、厚生労働省の調査で、人は仕事の量や質、責任等が特にストレスを感じる原因であるという結果が傾向から見られています。単純に仕事が多いと自分の時間を取ることができなかったり、身体の疲れが溜まったりしてしまうものです。
求めていた仕事と違ったり、単純作業やクレーム処理だったりなど、自分と合わない業務ややりがいを感じづらい仕事を「質の悪い仕事」と呼び、これらを続けることにストレスを感じる人も多いと言われています。
参照:厚生労働省|令和3年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況
( https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r03-46-50b.html )
職場環境が悪いと個人だけではなく、企業にとっても良いことはありません。職場環境を改善するための対処法として、個人及び企業が取り組める方法についてそれぞれご紹介していきます。
職場環境を改善するための対処法として、まずは個人の取り組みを見ていきましょう。
職場環境の改善と言っても、すぐに何か実感できるものが無いと続かないものです。対して、規則正しい生活を心掛けることは、心身のストレスを抑え、職場のストレスも緩和されるものであるため、積極的に取り入れていきたいものであると言えるでしょう。
例えば、バランスの良い食事を摂るように気を付け、1日3食しっかりと食べることが大切です。また、睡眠の質を高めるためには、寝る前にスマホやパソコンを触らないようにし、軽い運動などで血行の促進を行い、毎日7時間以上を目安に睡眠時間を確保するように意識するようにしましょう。
下記の記事では、健康的な生活習慣についてご紹介していますのでご参考ください。
参考:人生の目的が決まっている人は健康的な生活習慣を考える?( https://www.awareness.co.jp/content_list/health_purpose/health_purpose.html )
職場環境が原因でモチベーションが下がることもありますが、自らモチベーションを高く維持するための工夫を行うことも大切です。
例えば、午後のタスクの一部を午前中に終わらせようとしたり、感謝されるようなプラスアルファを考えたりするような小さい目標を立て、その成功体験を得続けることで、モチベーションを高めることも可能です。
また、タスクそれぞれに必要な作業時間を考える癖をつけ、優先順位を自分で設定できるようになれば、ある程度自分の1日をコントロールすることも可能になり、業務に対して前向きに取り組めるようになります。
このように、職場環境に頼るのではなく、主体的に行動していくような考え方を身に付けることも必要であると言えます。
職場環境が整っていても、内気な性格のままでは、円滑なコミュニケーションを取ることは難しいものです。自分から相談できる相手を増やしていくことも大切であると言えるでしょう。
誰かに相談することで、行き詰っていた作業を進めるヒントが得られたり、難しいと感じていたのが自分だけではなかったといった共感が持てたりなど、モチベーションの低下を防ぐことにもつながります。
企業として職場環境を改善するための取り組みについてご紹介します。
どれだけ気軽に相談して良いと伝えても、なかなか行動に起こしてくれない従業員も多いものではないでしょうか。1対1で行う、メンター制度やミーティングの実施は企業として取り組める職場環境の改善のひとつと言えるでしょう。
業務における悩みや不安、不満といった要素をヒアリングする良い機会になり、また管理者と従業員との間に生まれるギャップも埋めていくこともできます。従業員の変化にいち早く気づくことができ、アクションに移すことができれば、従業員の満足度を下げることなく、モチベーションアップにつながると言えます。
個人それぞれで抱えているストレスは異なるため、原因を突き止めることは難しいものであることから、第三者機関などを活用したストレス診断も有効です。
把握したストレス要因をもとに、改善可能なものから取り組んでいることを従業員も知ることができれば、モチベーションも高まると言えるでしょう。
何も、人間関係や設備関係、仕事内容だけが職場環境が悪いと感じる要因ではありません。例えば、無音のオフィスだと電話の対応がしづらいと感じることもあるでしょう。
また、他の従業員の会話や上司からのフィードバックが聞こえてしまうのが嫌だと感じる人も多いものです。このような理由から、無音の環境を無くすためにラジオを流す企業も多い傾向にあります。
このようなちょっとした改善が、働きやすい環境づくりにつながることもあるため大切にしたいものです。
単純に新しい設備を導入するのは簡単ですが、管理者としてはコストもかかってしまうため考えものであるのではないでしょうか。目的を明確にして必要であれば導入したり、目標を立てて達成したら導入したりするのも良いでしょう。
とは言え、最低限の設備投資も必要であるため、デスクワークが多いのであればパソコン周りの環境を整えたり、顧客とのやり取りに必要なツールは積極的に導入したりするようにしましょう。
ライフスタイルに合った働き方が取れないことは、従業員にとってマイナス面であるものです。フレックスタイムやリモートワークの導入は、そのような職場環境の改善に役立つため採用を検討している企業も多いのではないでしょうか。
ただし、こういった新制度の導入は、企業としても取り組むべきことが多いため、企業や個人が得られるメリットとデメリットを把握したうえで検討することが大切です。
本記事では、職場環境とは何か、ストレスとなる原因や改善するための対処法について解説してまいりました。
職場環境とは、他の従業員との関係性や、業務環境などのことを指し、「人間関係の環境」「設備的な環境」「仕事内容」などに大きく分類することができます。求めていた仕事と違ったり、単純作業やクレーム処理だったりなどを続けることにストレスを感じる人も多いでしょう。
職場環境を改善するために個人や企業、それぞれで取り組める対処法もあるため参考にしてみてください。