効果的なチームビルディングの方法から成功するためのコツ・事例まで

近年、ビジネスシーンを中心にチームビルディングの手法が取り入れられています。欧米で考案された組織づくりの手法でありながら、科学的な効果が実証されつつあるため、日本でも導入する企業が増えている状態です。

効果がある手法といわれている一方、間違った方法で導入してしまうと、効果は発揮されません。導入したい場合は、目的や成功のコツなどを把握することが重要です。

この記事では、チームビルディングの意味や目的、効果的な方法や成功させるためのコツを解説します。チームビルディングの導入を検討している人は、参考にしてください。

1.チームビルディングとは

チームビルディングとは、組織のパフォーマンス向上を図り、成果を上げられるチーム作りをするための手法です。チーム目標の調整、コミュニケーション構築などを通じ、問題解決可能なチームづくりを目指します。

似たような言葉にチームワークがありますが、チームビルディングはより包括的な概念です。
チームワークがメンバー間の対人関係促進を主眼とする一方、チームビルディングでは対人関係に加え、チームの将来的な目標や個人的な成長も視野に入れています。

1-1.チームビルディングの目的

チームビルディングの主要な目的は、「チームパフォーマンスを向上させること」と「チームメンバーの関係を強化させること」です。
目標設定の明確化やコミュニケーションを強化することにより、最終的なチーム目標の達成へと導きます

チームビルディングは、会社組織におけるすべての人が対象です。そのため、役職ごと、部門ごとに個別目的は異なります。例えば、中間管理職では部下の育成も目的となり、新入社員では社会人としての基本を身に付けることも目的の範疇となるでしょう。

1-2.チームビルディングのメリット

チームビルディングを導入することには、以下のようなメリットが存在します。

  • チームのパフォーマンス向上にとどまらず、モチベーション・能力アップが見込める
  • メンバー間のコミュニケーションが円滑になる
  • 長年の課題となっていたトラブルにも、チーム全体で挑戦する意識が芽生える

上記のように、チームビルディングは組織全般において前向きな影響をもたらす手法です

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2.効果的なチームビルディングの方法

チームビルディングは4つのステップを経て、チームのパフォーマンス向上及びメンバー間の関係強化を図ります。
以下は、それぞれのステップにおける具体的なチームビルディング手法の内容です。

①個人と組織の両面で明確な目標を設定する

最初のステップでは、個人と組織、2つの側面で明確な目標を設定します。メンバーの意識や関心が異なっている状態では、チームは十分なパフォーマンスを発揮できません

目標は、設定後のプロセスも重要です。目標を達成するための行動において、何が成功で何が失敗なのか精査することにより、適切な行動を判断します。
このような振り返りを実施することで、目標の重要性を際立たせるとともに、目標到達までの進捗状況が把握可能です。

②メンバーの役割を明確にして相互理解する

2つ目のステップでは、メンバー個々の役割分担を明確にし、その役割を相互に理解します。目標への役割が明確であれば、各メンバーは自身の業務に集中することが可能です。目標達成へ向けて自身ができることを把握しやすくなり、今何をすべきかが一目瞭然となります。

③チーム内で発生した問題や課題を特定して解決策を探す

問題が発生した場合は、その問題を共通課題として認識し、チーム全体で取り組みましょう。個人の責任とせず、問題や課題の原因をメンバー間でセッションし、協力しながら解決策を探してください

問題解決は、メンバー間の相互交流の活性化や論理的思考の育成を通じ、チームのパフォーマンス・生産性を向上させるよい機会となります。

④情報共有をしたり相互にサポートしたりしてチームで目標に向かう

目標達成には、メンバー同士の信頼関係を築くことも大切です。こまめに情報を共有し、相互にサポートしつつ目標に向かうことで、チームの関係性を深めることができます。その際、メンバー間の会話を促すファシリテーター役も必要です。

3.チームビルディングを成功させるためのコツ

チームビルディングを成功へと導くためには、いくつかのコツが存在します。以下で紹介する3つのコツは、特に重要な要素を含む内容です。

チームビルディングでは、目標の設定・役割の明確化などの各段階で相互コミュニケーションを図ります。その際に、以下の事柄を意識してください。

3-1.現場の意見をしっかりと聞く

チームビルディングを成功させるためには、現場の意見をしっかりと聞き、尊重することが大切です。経営陣の意向に配慮しつつ、現場の意見にも耳を傾ける姿勢を持ちましょう。
現場の意見への配慮が欠けてしまうと、メンバーのモチベーションを阻害する要因となります

現場の意見を尊重する姿勢は、チームのまとめ役・リーダーにとりわけ必要な心構えです。

3-2.自分の意見や動きがチームに影響する意識を持つ

メンバーが「自分の意見や動きがチームに影響する意識」を持てる環境づくりも、チームビルディングを成功へと導くコツです。メンバーは、自分の行動に責任や価値があることを感じると、仕事に対するモチベーションを高く持つことができます

メンバーそれぞれの意見を尊重しつつ、それぞれの意見が主張できる人間関係を保ちましょう。

3-3.意見の相違や価値観の違いがあっても否定的にならない

チームの関係性を構築するためには、意見の相違や価値観の違いがある場合でも、否定的にならない態度が求められます。同じチームに所属しているとはいえ、メンバーそれぞれが育ってきた環境や境遇は異なるため、意見の相違や価値観が異なることもあるでしょう。

相違や違いを否定してしまうと、チーム間の関係を促進することはできません。チームビルディングでは、自分と他人は違うことを尊重し、肯定的に捉える態度が大切です。

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4.チームビルディングの成功事例

近年、各企業ではチームビルディングを成功させるために、多種多様な研修を行っています。ここでは、それぞれの研修事例を紹介します。

A社:ビジネスゲームを取り入れたチームビルディングの事例

A社では、組織力強化やメンバー間の結束力強化を目標とし、ビジネスゲームを取り入れたチームビルディングを行いました。ビジネスゲームであるため、疑似的な職種や階級でシミュレーションができます。また、遊戯的要素によりチーム内の交流も活発化しました。

結果として、メンバーの主体性が養われ、自ら行動するための下地作りが可能となっています。

ゲーム内であれば、日常の現場ではためらうような行動をすることも可能です。
結果、自主的な行動を促進する効果が見込めるでしょう。
ゲームによる研修は、上記のほかに「ヘリウムリング」や「スカベンジャーハント」、「NASAゲーム」など多様な種類があります。

B社:ワークショップを取り入れたチームビルディングの事例

B社では、メンバー間の関係を深めることを目的とし、「チェックイン」と呼ばれるワークショップを採用しています。チェックインは、今感じている自分の感情や気持ちを、そのまま発表しあうワークショップです。

会議や研修前に実施することで、メンバー間のアイスブレイクとなり、心理的安全性を持った状態でコミュニケーションが取れるようになりました

ワークショップは少ない人数で実施可能で、会議室など身近なスペースでできるチームビルディング研修です。事前準備の負担が少なく、多くの企業で採用されています。

紹介した事例を基にして、チームビルディングの導入を検討してみましょう。

まとめ

ここまで、チームビルディングの意味や目的、効果的な方法や成功させるためのコツを解説しました。

チームビルディングは、組織開発のための手法です。
目標設定や役割の明確化、問題に対するチーム全体でのアプローチなどを通じ、組織のパフォーマンス向上やメンバー同士の一体感をもたらします。

チームビルディングを成功させるためには、現場の意見をしっかりと聞く姿勢、また意見の相違や価値観の違いを否定的に受け取らない態度が大切です。
短時間で導入できる研修も多彩にあるため、参考にしたうえで導入を検討しましょう。

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