世界的に取り組みが進んでいるSDGsという言葉を聞いたことがある方も多いかと思いますが、どのようなものなのかご存知でしょうか。
本記事では、SDGsとは何か、その考え方やSDGsで重要な「5つのP」と「17の目標」についてご紹介してまいります。
目次
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、持続可能な開発目標とも呼び、2015年に国連加盟国すべての承認を受けた国際的な取り組みの一つを指します。2016年から2030年までに掲げた目標達成に向けて、今も世界単位で取り組んでいます。
このSDGsは、17個の目標と169個のターゲットから構成されていますが、途上国だけの問題ではなく、先進国も取り組むべき目標が多く立てられていると言えます。SDGsは競争を生むために作られたものではなく、世界が協力して取り組んで行く目標であると考えられるため、この取り組みにおいて誰一人取り残さないという理念を掲げられています。
地球温暖化や貧困問題などの危機感について、世界的に共通認識を持ち始めたことがSDGsの必要な理由と言えます。
地球温暖化として近年の温度上昇は深刻な問題であると言えるでしょう。この温度上昇によって海面の上昇なども見られており、過去と比較して近年は特にこれらの上昇率が高いと言われています。
他にも世界的にみると、1日の生活費が2ドル程度であったり、児童労働や栄養不足などといった貧困問題も大きな課題です。
このような危機的状況を抜け出すためにも、2015年に世界として取り組むべきSDGsが採択され、世界的に取り組まれているのです。
SDGsには「誰一人取り残さない」という理念のもと、基本となる「5つのP」が掲げられています。「People(人間)」「Prosperity(繁栄)」「Planet(地球)」「Peace(平和)」「Partnership(パートナーシップ)」の5つについて、それぞれご紹介していきます。
「人間」を中心に据え、全ての人々の人権が尊重されることを重視しています。それぞれに平等な機会を享受する環境づくりが大切であるという考え方です。
飢餓・貧困をなくし、教育や福祉の普及、またジェンダー平等なども目標として含まれています。現在もきれいな水を飲めない国があり、衛生面の充実や平等な教育を受けられない国もあるため、そういった課題解決のために掲げられたのが「People(人間)」であると言えるでしょう。
経済的な観点から人々が安心した暮らしを送れるようにすることを目標としており、経済的な発展や社会的な包摂の促進による持続可能な繁栄を実現することが目指されています。
働きがいのある仕事、経済成長、産業の持続可能な発展などが重要なテーマとなっているのが「Prosperity(繁栄)」です。
消費や生産に焦点を当てたものであると言えます。すでに問題視されている地球温暖化や気候変動など、これらの対策をせずに進むことは次世代を考えていない行動であるとも捉えられます。
地球の資源は有限であることから、環境保護や持続可能な資源利用を促進し、地球の生態系と環境への影響を軽減することが重要であるとされているのが「Planet(地球)」です。
対策の例としては、温暖化対策、再生可能エネルギーの導入、海洋保護、森林保護などが挙げられます。
紛争の解決と平和な社会の構築を目指し、全ての人々が安全で平和な環境で生活できるようにすることが「Peace(平和)」です。
現在もどこかで紛争や迫害、暴力などに苦しんでいる人がいることについて関心を持ち、行動に移すことが大切であると言えるでしょう。
国内外問わず、SDGsは世界各国すべての人にとっての目標であると言えるため、世界が手を取り合って問題解決に取り組むことが重要であると言えます。
また、国々の協力だけではなく、企業や地域などが協力することもSDGsを実現する上では欠かせないものです。国内外の政府、民間企業、市民社会、国際機関など、あらゆる協力が不可欠であるという理念が「Partnership(パートナーシップ)」です。
SDGsは17個の目標により構成されており、これらを2030年までに達成するようにそれぞれが取り組んでいると言えます。また目標一つひとつにもそれぞれターゲットが複数定められており、その数は169個にも及びます。
序盤は途上国に対する支援のように見える「貧困」や「飢餓」「健康」「教育」などについて触れられています。しかし、日本においても貧困な状況におかれている子どもも少なくはないため、十分当てはまると言えるでしょう。
中盤には、環境保全や人の平等、労働や暮らしにつながるような目標が立てられています。これらの目標は日本だけではなく、各国においても重要な指標であると言えます。
終盤の目標は気候変動や海や陸の豊かさなど、もっと大きな話になってきています。少し抽象的な目標となっていますが、地球資源は有限であり、環境保全は有益であることを謳っている目標であると見て取れるでしょう。
最後の目標「パートナーシップで目標を達成しよう」では、それまでの16の目標達成に向けて各国が手を取り合って取り組んでいこうという内容であると言えます。それぞれの国が独自に進めていくだけではなく、技術の共有や資金支援など、国同士の格差が出ないように考慮された目標とも言えるでしょう。
SDGsは個人や組織ができることを考えるところから始まります。国際的な枠組みであり、世界全体の持続可能な未来を実現するための目標ですが、それらの目標を達成するためには個人や地域、企業、団体などが積極的に取り組むことが不可欠です。
大きな目標であっても、自分自身の力や影響範囲に応じた取り組みが大切であり、小さな行動でもSDGsへの貢献につながることを理解し、積極的な取り組みが求められると言えるでしょう。
個人の取り組みとしては以下のようなものが挙げられます。
本記事では、SDGsとは何か、その考え方やSDGsで重要な「5つのP」と「17の目標」についてご紹介してまいりました。
SDGsとは、2015年に国連加盟国すべての承認を受けた国際的な取り組みの一つを指し、2016年から2030年までに掲げた目標達成に向けて、世界単位で取り組んでいます。
SDGsは競争を生むために作られたものではないため、世界が協力して取り組んで行く目標です。SDGsには「誰一人取り残さない」という理念があることから、基本となる下記の「5つのP」が掲げられています。
自分自身の力や影響範囲は小さなものかもしれませんが、それぞれの小さな行動がSDGsへの貢献につながるため、個人においても積極的に取り組んでいきたいものです。